2025年9月6日(土)、地理空間情報(Geospatial Information)の国際NGOであるOpen Geospatial Consortium (OGC) の日本における活動推進団体 OGC Japan Forum と OSGeo.JP共催のミートアップイベントに参加しました。イベントでは、スマートシティや施設管理におけるデータ活用について、多彩な話題が提供されました。
イベント詳細→https://www.ogc.org/event/ogc-japan-forum-x-osgeo-jp-meetup/
OGCの Scott Simmons氏からは、地下データの標準規格であるMUDDI(https://www.ogc.org/standards/muddi/)について、Cesium社の久木田氏からはCesium ion、そして首都高速道路技術センターの土橋氏からは首都高における施設管理のデータ活用について発表がありました。特にMUDDIについては、災害の多い日本において今後重要なキーワードになると感じました。

弊社からは、「Cloud Native Geospatial(CNG)」をテーマにライトニングトークを行いました。発表では、地理空間データの課題と、それを解決に導くクラウドネイティブなアプローチについて紹介しました。発表の内容を簡単にご紹介します。
現場が抱える課題
従来の地理空間データ活用には、次のような課題がありました。
・データが巨大になり、取り扱いに時間がかかる
・組織や案件ごとにフォーマットが異なり、相互利用が難しい
・ダウンロードや処理に時間とコストがかかる

こうした制約は、現場での迅速な意思決定や効率的なデータ活用を妨げてきました。これらの課題を解決する最新の技術として、Cloud Native Geospatial(CNG)が脚光を浴びています。
Cloud Native Geospatial(CNG)の価値
CNGは、データを移動させずにクラウド上で直接可視化・解析を可能にするデータの規格で、様々なデータ形式があります。CNGを魅力的な技術とするのは、以下の要素が含まれるからです。
・安価なクラウドストレージが使える
・効率的な圧縮技術によりデータ容量を削減できる
・必要な部分だけを取得できる仕組みを持つ(タイル化、空間インデックス、HTTP Range Requests など)
サーバに依存せず、必要な時に必要なだけ圧縮データを取得することで、従来のボトルネックを解消し、コスト効率の高いデータ利用を実現します。
CNGを支える主なフォーマット・エコシステム
◾️主要フォーマット:
・ベクタ: GeoParquet, PMTiles
・ラスタ: Cloud Optimized GeoTIFF (COG)
・3D: 3D Tiles
・多次元行列(データキューブ):Zarr
◾️エコシステム:
・Source Cooperative、Overture Maps、STAC Catalog


これらは国際的にも注目を集めており、地理空間データのオープンかつ効率的な利活用を推進する鍵となっています。URLを通じて、ホストされたCNGデータに簡単にアクセスできる点も大きな強みです。
まとめ
- OGC は世界共通の標準化の土台
- CNG は空間データを開放する新しい技術
Simmons氏の講演にもあったように、地下インフラのデータが行政界や管理主体が異なることで相互利用できないことは、災害の多い日本社会において大きなリスクとなり得ます。今回のイベントを通じて、今後もPSSはOGCやCNGの技術を積極的に取り入れ、地理空間データの利活用の支援をして行きたいと強く感じました。