2026年10月6日から9日まで、米国ユタ州スノーバードで開催された「CNG Forum 2026」に参加してきました。

CNG(Cloud-Native Geospatial)は、COGやGeoParquet、STACといったクラウドネイティブなフォーマットを中心に、地理空間データをもっと扱いやすくすることを目指すコミュニティです。地球規模のデータセットを作る人、衛星画像をスマホで見られるようにする人、何百万ものデータ点をブラウザ上で地図化する人たちをつなぎ、協働の場をつくることを使命として掲げています。
CNG Forumは、そのコミュニティが年に一度集まる場です。第1回は2025年4月30日から5月2日に同じスノーバードで「CNG Conference 2025」として開催され、100以上の組織から250人超が参加しました。今年は名称を「Forum」に改めての第2回となります。
会場では、クラウドネイティブなデータの活用や仕様に関する発表、ワークショップなどがありました。また、参加者同士で会話する時間も多くあり、既に日常業務でクラウドネイティブなデータを活用している方々の話を聞くことができました。
CNG Forum2026の内容や会場の雰囲気については、次の記事で紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください:
【イベント報告】Cloud Native Geospatial (CNG) Forum 2026 に参加して
参加の背景
今回参加した理由のひとつは、弊社が取り扱うデータ統合プラットフォーム「FME」の開発元であるSafe Softwareが、Overture Maps Foundation、Taylor Geospatial Engine、Esriと並び、イベントのスポンサーを務めていたことです。Safe Softwareは、クラウドネイティブな地理空間フォーマットをFMEで扱えるようにすることに早くから力を入れてきました。
そこで本記事では、CNGに関連するFMEの取り組みをご紹介したいと思います。
FMEが現在対応しているクラウドネイティブなフォーマットは、次のとおりです:
| フォーマット | 種類 | 対応 | 対応開始バージョン |
| COG(Cloud Optimized GeoTIFF) | ラスター | Read/ Write | FME 2023.0 |
| FlatGeobuf | ベクター | Read/ Write | FME 2023.0 |
| Zarr | 多次元配列 | Read/ Write | FME 2023.1 |
| GeoParquet | ベクター | Read/ Write | FME 2023.1 |
| COPC(Cloud Optimized Point Cloud) | 点群 | Read/ Write | FME 2023.1(Read)/ 2023.2(Write) |
| STAC(SpatioTemporal Asset Catalog) | カタログ | Read | FME 2023.1 |
| PMTiles | タイル | Read/ Write | FME 2026.1 |
| 3DTiles | タイル | Write | FME 2017.0 |
Safe SoftwareがCNGフォーマットを積極的に取り入れているのは、現在使用されているデータ形式と新しいデータ形式の両方をサポートすることにより、既存データと新しいデータ間のスムーズな変換や移行を実現することが重要であると考えているからです。
今回のCNG Forum 2026では、Safe SoftwareでCNGなどのオープンフォーマットの開発チームをリードする担当者の発表が予定されていましたが、急遽変更となり聞けなかったのは残念でした。
代わりに、ここではSafe Softwareが過去に開催した、CNG関連のウェビナーをいくつか紹介します。
Cloud Revolution: Exploring the New Wave of Serverless Spatial Data
CNGを運営するRadiant EarthのMichelle RobyさんとPlanetのChris Holmesさんを招いたウェビナーです。
Chris Holmesさんの発表では、2014年に当時Amazonに在籍していたJed Sundwallさん(現:Radiant Earth)に働きかけ、数百テラバイトの衛星画像をS3でホストしてもらったことを起点に、データのユーザーとホスト側のユーザビリティの向上のためのアクションについて検討し行動する、現在のCNGの取り組みへと発展した経緯を説明しています。Michelle Robyさんの発表では、既存のデータ形式とそれに対応するCNGデータとそのユースケースを詳細に説明しています。CNG Forum 2026では、最新の取り組みに関する発表が多くありましたが、こちらはCNGの歴史を知ることのできる興味深いウェビナーです。
Cloud Frontiers: A Deep Dive into Serverless Spatial Data and FME
こちらは、先に紹介したウェビナーのパート2です。Safe SoftwareでCNGやオープンスタンダードのデータに関連する開発チームをリードしているDean Hintzさんを中心に、FMEにおけるCNGデータの変換事例を紹介しています。
CNG Forum 2026を振り返って
今回CNG Forum 2026に参加して感じたのは、CNG Forumが、ユーザがどのようにデータを活用するのかを常に念頭に置きながら、より使いやすいデータやその仕様をオープンなコミュニティとして考える場であるということでした。データの仕様に最前線で携わる人とユーザが同じ場所でフラットに会話できる場は学びが多く、その場ではすぐに理解が及ばない知識も日本に帰ってきてから調べるきっかけとなりました。イベントの企画の中心人物であるRadiant EarthのMichelleさんとLouisaさん曰く、発表を聞くだけの場にとどまらないよう、参加者同士が会話したりアクティビティを共にしたりできる時間を多く確保したとのことでした。ユタ州の壮大な山々に囲まれたスノーバードという立地も意図的に選ばれており、参加者同士でハイキングに出かけるといった交流が自然に生まれるよう工夫されていました。

新しいデータフォーマットを活用するには準備が必要で、それが障壁になることもあるかと思います。その橋渡し役として、ぜひFMEを視野にいれていただけましたら幸いです。CNGデータの変換や活用についてお困りのことがありましたら、お気軽にPSSまでご相談ください。