前回のはじめての空間解析シリーズでは、CARTOのノーコードツール「Workflows」を使った空間解析レポートをご紹介しました。
Workflowsを使えばクエリが書けなくてもUIを使って手軽に空間解析に取り組むことができましたが、同時に、前提となる空間データ・解析に関する知識の必要性も痛感しました。
そこで今回は、空間データの基礎を学ぶために、CARTOが提供しているステップ・バイ・ステップの学習サイト「CARTO Academy」を使ってみることにします。
「CARTO Academy」では、そもそも地理空間データって何だっけ?というところから学習をスタートすることができます。今回のNEWS記事では、空間データタイプの一つである、空間インデックスにフォーカスしています。
◾️空間インデックスとは・・・
空間インデックスは、地図上の場所や物の位置を素早く見つけるための技術です。
本の目次が特定の内容を探しやすくするように、空間インデックスは大きなデータの中から、例えば特定の地域にある建物や道路などを迅速に検索できるようにします。これにより、大量の地理情報を扱うときに時間を大幅に節約できます。
空間インデックスの強みは、
① 短い文字列で地理的な位置を表現できること
② それによって分析を高速化できること
にあります。
下図をご覧ください。
私たちがよく使うポリゴンは、下図(左側)のように、緯度・経度を組み合わせた長い文字列(ジオメトリ記述)で位置を示します。これに対して、空間インデックスは、一つの短い文字列(下図では「8a2aa84ec307fff」)だけで、一つのセル(多角形)の位置を特定することができます。短い情報で位置を表せるということは、全体のデータ量を少なく抑えることができるということであり、分析の高速化に役立ちます。
▲図1 ジオメトリと空間インデックスの地理位置特定
◾️空間インデックスの3つの主要なタイプ
空間インデックスの表現方法にはいくつかの種類があり、データや用途に応じて適切な空間インデックスを選択することが必要です。
表1に、一般的に使われている「H3」、「Quadbin」、「S2」という、3つの空間インデックスを整理しました。
▲ 表1 空間インデックスの3つの主要なタイプ
◾️ポイント、ポリゴンデータを空間インデックスに変換してみる
CARTO Academy内の”Create or enrich an index“のテキストに従ってポイントデータとポリゴンデータを空間インデックスに変換しました。作成したWorkflowsとアウトプットのマップは下図の通りです。
CARTO Academyでは、データのインポートから解析フローの構築、マップ作成まで詳しく手順が紹介されており、CARTOを使ったことがない方でも簡単に作成することができます。
ご興味のある方はぜひお試しください!
※Workflowの作成手順を詳しく知りたい方は、図の下のボタンよりご覧いただけます。
今回は空間インデックスについて学びました。
処理の高速化に効くということなので、広域の空間データの分析に使ってみたいですね。
はじめての空間解析シリーズ第三弾もお楽しみに!