交通データとまちのリアルをつなぐ、バス停連動型SNS

「バスかめファン!」は、香川県丸亀市を舞台に、地域の公共交通とデジタル体験を組み合わせたユニークなバス停連動型SNSです。三菱地所設計株式会社とPacific Spatial Solutions株式会社が共同で開発しました。
そしてこのたび、「公共交通オープンデータチャレンジ2024」にて、JR東日本賞という素晴らしい賞を頂戴いたしました。

🐢バス停から広がる、地域密着型SNSの新しいかたち
「バスかめファン!」は、地域のバス停にキャラクター「かめ丸」が住んでいるという世界観のもと、
ユーザーがバス停やその周辺スポットの情報を投稿したり、「いいね!」したりする、バス停を中心とした情報共有SNSアプリです。かめ丸はバス停ごとに生息していて、ユーザーの投稿や「いいね!」を通じて、少しずつ成長していきます。ユーザーの興味と地域の交通拠点がつながり、バス停が「移動の手段」から「まちの探索ポイント」へと自然に広がっていきます。

🐢特徴と新規性
「バスかめファン!」の最大の特徴は、公共交通を単なる移動手段ではなく、まちの回遊へと転換する視点にあります。これまでの交通施策では、運行情報の可視化やポイント制度が中心でしたが、「バスかめファン!」ではユーザー参加型・コミュニティ型のアプローチを採用。「バス停から地域の魅力を発信・共有する」ことで、新しい公共交通の形を提案します。
たとえば、こんな体験が生まれます:
• 「役所の帰りに、知らないバス停で紹介されていたパン屋さんに寄ってみよう」
• 「遠くのバス停から来てくれたお客さんには、商店街のポイントを少し多めにプレゼント」
• 「いつものバス停ですれ違うあの人。密かな想いを、かめ丸に託してみよう…♡」
• 「子どもの頃から使っているバス停、古くなってきたな。そろそろ新しくしてほしいな」
• 「バス停前の公園の桜が満開!みんなにも見てもらいたい!」
🐢実地体験をつなぐQRコード連携
「バスかめファン!」では、バス停や車内に設置されたQRコードを読み取ることで、商店街のクーポン配布などのインセンティブを受け取ることができます。また、QRコードのリンク先は、読み取った場所や時間帯に応じてダイナミックに変化しています。近隣の店舗・観光施設が提供するクーポンやイベント情報、スタンプラリーの誘導などが可能です。公共交通の利用がそのまま“まちの体験”に変わる仕組みです。
🐢地域との連携と今後の展望
「バスかめファン!」は、商店街や地域事業者にとっても大きなチャンスです。
QRコードを活用して、自店舗ページやキャンペーン情報を紹介できるため、リアルな回遊性と経済効果を生み出す導線として活用できます。また、個人情報を取得しない設計で、プライバシーにも配慮。「どのバス停から・いつアクセスされたか」という情報だけを活用することで、安心して運用できます。
今後は、以下のような発展を目指しています:
• 時間帯別サービスとの連携(例:朝はパン屋、夜は銭湯の割引)
• スタンプラリーとの連携による観光促進
• 自治体・交通事業者・商工会の三者連携による地域共通デジタル基盤化
• 高齢者の外出促進や健康づくり施策との統合活用
これらの仕組みを重ねることで、「バス停はまちの回遊拠点」という認識が広まり、地域全体の持続可能な賑わいづくりにつながっていくことが期待されます。
🐢まちを遊ぶ。交通を育てる。
「バスかめファン!」は、ゲーム性・公共性・参加の楽しみが融合した、新しい地域SNSです。
このような取り組みが全国に広がれば、公共交通は「移動」から「体験」や「コミュニティ」へと進化し、まち全体の魅力が、より多くの人に届いていくはずです。
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